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今回は、「かがみの孤城」をご紹介します。
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目次:
簡単な説明
タイトル:かがみの孤城
著者:辻村深月
発行所:ポプラ社
この物語は7人の引きこもりの少年少女が、異世界に引き込まれます。城のような場所にオオカミ娘という少女が7人の前に立っていました。
その子はゲームマスターのような立ち位置で、この世界で為すべきことを説明します。
感想
前から読んでみたかった作品ですが、何となく子供向けの本と思い避けていました。
でも、それじゃあもったいないと思い、あらすじだけ見たところ、面白そうだったので買いました。私自身不登校の経験があったので、共感できるものがあるかもしれないと思いました。
実際に読んでいくと、場面場面で私の当時の心境を呼び起こされるような気がして、気づいたら何度も涙していました。
親に学校に行かないことを心配されていると分かっているけれど、私は学校には行きたくないというすれ違いが、辛かったです。
登場人物にフリースクールの「喜多川先生」がいます。その人は主人公の「こころ」のつらい気持ちに寄り添ってくれます。
喜多川先生がこころに掛ける言葉が、「不登校」という狭い枠で「こころ」を判断せず、「一人の人間」として接しているように感じました。まるで自分に言われているような感覚になりました。
近しい関係の親だと、どうしても子供を心配し過ぎてしまうものですが、フリースクールの先生という立場なら、客観的に子供に寄り添うことができると思いました。
私は全日制の高校を転校した後に通信制に通っていました。通うといっても、登下校はなく、パソコンで課題をこなして単位を取ることが卒業の条件でした。
その学校の女性の先生が、卒業後も、私の就活に対して熱心に取り組んでいただけたことが、嬉しかったです。
異世界について
7人に課せられたミッションは、鍵を探すことです。見事鍵を探し出せたら、何でも1つだけ願いを叶えてくれます。
また、デスゲームのような鬼気迫る怖さはなく、ミッションを果たすまで出られない、というわけではありません。
時間軸は現実世界と同じです。まるで学校のように、一日に居られる時間が決まっています。その時刻が近づくと、また鏡を通って元の世界に帰ります。
最初は疑心暗鬼だった7人は、お互い顔を合わせる度に、少しずつ、なぜ学校に行けなくなったのか話していきます。
物語後半になるにつれて、7人は逆にこの世界に居たいと思うようになります。
どんな形であれ、家に居ずらいであろう7人にとっては、この世界は日々を生きていく心の支えになっていたと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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