ご高覧いただきありがとうございます。
題名「波」
*
考えれば考えるほどに遠のいていく、自分という存在。孤独が頭をおかしくしているのか。なぜ純粋に日々を全うできないのだろうか。
人目を気にしながら生きている毎日。どうしたら、びくびくせずに生きられるか。
心理学を学べば何かわかるかもしれないと、本のページをめくってみるけど。より深みにはまっている気がする。メタ認知といえば、聞こえはいいが、生きている実感が失われていく気がする。
それはまるで自分の透明な分身がスッと出て来て、少し上から見つめられているようだ。手の平に視線を移すと、これが自分の身体だと思えない。
意識だけが浮遊して、意思のない人形のような体に恐怖する。
どうしてしまったのだろう。一人でいる時間が多い現在は、昔より内省するようになっていた。
学生の頃は己を理解しようとか、全く考えることはなかった。ここまで哲学的になることはなかった。
それはそれで幸せだったのか。しかし、世間の理想に合わせようと必死になっていた当時は、窮屈だったのは確かだ。他人に迷惑をかけないことに重きを置いていた。
ずっと満たされない感覚だった。大人になった今は自分で意思決定をするのに慣れてきた。
成人して間もない頃は、自分で人生の舵を取っていくなんて無理だと思っていた。自信が無かった。
しかし、ここ最近になって、後悔することはあれど、自身で選んだ選択だからそれでもいいじゃないかと思えるようになった。本当の自由を見つけられた。
常に変わり続けるのだから「普遍的な自分」なんてないんだな。パズルみたいにスッポリと収まる答えはない。
*
最後までお読みいただきありがとうございます。